森の陰画

髙山 瑞|TAKAYAMA Midori

2017 2019

二本の杉の立ち木を残した壁に、太陽が昇り沈むことで木々の影が映し出される。影を映すことから始まったという絵画や彫刻の起原に思いはせながら、その輪郭線を追いかけるようにチェーンソーを走らせ、鑿によってかたちを撫でてゆく。樹の生まれ育った場所や環境を知ること、樹を切るということ、彫るということ。あらゆるものの原点を見つめ、それによって現れた文様は、私達に何を連想させるだろうか。削り出された木屑は、土の上に残したままそこにある。いつしか枯葉と共に、小さな砂となることを願って。

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