天国土鍋で福招き

2015年4月25日開催

KEA2015小砂環境芸術展の期間中に開催された“天国土鍋で福(フク)招き!”。こちらのイベントはフグの消費者団体“世界フグ協会”とKEAとのコラボ企画で、温泉トラフグの“㈱夢創造”、小砂の“お母ちゃんcafe”にご協力いただいた企画です。砕けた言い方をすると、那珂川町の温泉トラフグをアーティストが創った特製土鍋で、地元のおいしい素材をいただき、さらにアーティストに作品を案内してもらうというとても豪華絢爛なイベントなわけです。

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さてさて、前ふりはそれまでとしまして、まず向かったのは大桶運動公園近くにある㈱夢創造が運営する“那珂川海産魚種養殖研究センター”です。こちらで温泉トラフグが養殖されています。 温泉トラフグって何?っていうか、海ないじゃん!って思う方も多いと思います。なんと栃木県那珂川町では温泉でトラフグが養殖されているんです。食べる前に勉強する。それがこの醍醐味ですね。さっそく養殖センター内に行ってみましょう。

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まず入り口でお出迎えしてくれるのは温泉トラフグのおっきなモニュメント。 今回アートディレクターの小佐原さんとアーティストの八木さんはイベントの最初から同行してくれました。この二人、何を話しているかというと、このフグのたくましいフォルムについてでした。

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遅ればせながら、こちらのふぐをかぶっている人が今回の企画を持ってきてくださった消費者団体“世界フグ協会”の会長渡部さんです。

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世界フグ協会の方は本日3名いらしており、全員オリジナルフグポロシャツを着てきていました。

いざ、潜入!ということで、中に入ると大きなプール。 実はこの養殖場は元スイミングスクールだったところを活用しているんです。なので、温泉プールで優雅に泳ぐフグというここでしか見れないものが見れます。温泉は地元那珂川の源泉を使用しています。実は海水よりも塩分濃度が薄い温泉はフグの負担を減らし、成長速度が早いんです。出荷前に塩分濃度を上げたプールに入れることにより、身が引き締まるとのこと。フグ協会よりお話があったのですが、さらに屋内での飼育のため直射日光が当たらないので模様がとてもきれいに見えます。フグは日焼けをしてしまうため、天然ものや海洋養殖の場合は皮膚が黒ずんで模様がほとんど見えなくなってしまうそうです。また、ふぐの凶暴性と遺伝子についての解説などもあり、普段知ることのできなかったトラフグの生態を知ることが出来ました。 実際に温泉トラフグを食べる前にきちんとお勉強です。
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バスの中では学びを深めるためのトラフグクイズも世界フグ協会の方が出題してくれました。フグが粘膜で目を保護し、砂に潜って直射日光を防いでいることや、実は縄文時代から食されていてその食べ跡の遺跡には(フグの毒にあたったとおもわれる)縄文人の骨が一緒に出土されたなど、小ネタを含んだクイズはとても面白かったです。正解者にはかわいいフグのぬいぐるみがプレゼントされました。 ちなみに、参加者の方から聞いた話ですが、フグはさばく際に口から処理をするそうです。ふぐの顎の力はとても強く、人の指を食いちぎってしまうこともあるそうで、仮に生きている状態であるとさばいている最中に手を噛みちぎられてしまい可能性があるからとのことです。
参加者も相当なフグ通が集まっていますね。

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お母ちゃんcafeの方々の待つ元馬頭北保育所は、KEATの際にはアーティストが滞在する場所になっています。 今回はそこが素敵なオープンカフェに。

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今回はかまど炊き部隊も~♪ 笑顔がとても素敵なお母ちゃん達です。もちろん使用しているお米は小砂のホタル米が使用されているのでとってもおいしいですよ!

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また、今回のメニューは地元小砂で取れたものや那珂川町の特産品を使用した料理を提供してくださいます。 そして、お待ちかねの天国土鍋の登場です。
event-archive-09event-archive-010 この土鍋は天国シリーズを制作しており、芸術祭にも出展している松尾美森さんの作品!この日のためだけに用意された特別なモノです。 フグはもちろんわが町の温泉トラフグ第一人者の㈱夢創造提供です。 小砂で採れた地場産の野菜に、お母ちゃん達の手が加わった逸品の数々!

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フグは肋骨が退化した生き物なので、とても身が筋肉質なんですって。 だから、鍋で煮込んでも形が崩れることなく、食べ応えのある肉質です。

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実はこの小魚、那珂川町で養殖しているホンモロコです。 関西の方で高級魚として知られているホンモロコ、那珂川町でも味わえます。 苦みが少ないのでとてもおいしくいただけます。

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晴天の青空の中、とても贅沢な昼食をいただきました~♪

まだまだ終わらないのが今日という日! お腹も膨れたので、アーティストツアーにレッツゴー!
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突然の通り雨もありましたが、アーティストと一緒に作品を回るなんてとても素敵な時間を堪能させていただきました!
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農道をとおりぬけ、各アーティストの作品を生で見ながら小砂の一部をぐるっと!
今回ツアーで案内をしてくれたのは、アートディレクターの小佐原さん、八木麻里さん、松尾ほなみさん、そして稲垣侑子さんでした。

 

初めに向かったのは八木麻里さんの作品「room1」
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ここはお部屋です。と話し始める八木さん。 昨年より農具を使用した作品を制作しています。それはものとしての認知ではなく、想像力を湧かせられるものでした。形、方向、場所すべての余白を使用し、その空間を形成していくものでした。

 

次に渡邉透真さんの作品「Gateway」
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こちらはモザイクガラスに映し出された向こう側を描いたものとの事です。人と風景の間に入るものや明るさ温度など見るものと自分との間を考えさせられる作品でした。

 

鈴木絵里加さんの作品「環」
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約730人が住む、この小砂を伝える媒体に人の表情を置いた作品。曰く、この環境に住む人の表情こそが環境である。名は体を表す。人は土地を表す。 素敵な作品でした。

 

田原唯之さんの作品「最も関わりのある場所 -光の庭–」
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境界線を表現した空間作品でした。外と内の境界線が、隙間だらけの屋内であったり。人と自然の境界線が、農具であったり。またそんなボーダーラインの中で、バランスをとる過去と未来の境界線。とても魅力のある空間でした。

 

松尾美森さんの作品「どこでもないところ、あとかたのゆめ」
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最初に驚いたのが『土足で上がってください』の文字。陶器で作られた新たな芽が森へ帰依するこの家と同化していく。違う世界に踏み入れたのではと思うような、とても不思議な空気でした。

 

途中ウナギのぼり!?を発見 すこし驚きました。
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井口雄介さんの作品「鎮」
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撃ち込まれた楔は、山の中におさめられた龍の力をその土地へと還元する。とても来年が楽しみなストーリー性のある作品でした。

 

玉田多紀さんの作品「おかしなキノコ」
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まずデカ!って思いました。このキノコ、子供たちと作成していったものとのこと。土に還る過程の中で、人が介し、自然が介し、動物が介する。四季を通し、どのように変化していくのか楽しみですね。

 

松尾ほなみさんの作品「都市の残像」
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小砂の森の中に浮かび上がるは新宿駅の人々。人が人として見えなくなる都会の瞬間と、木が丁重に扱われる山の暮らしをリンクされた作品。相対する二つのものが同じ空間にあるとても面白い場所。

 

最後に稲垣侑子さんの作品「土地ドレコレクション」
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好きなものをより魅せるようにデコレーションするという現代女性のエゴを畑に持ってきたこの作品。そのデコレーションは時間をかけて変わっていく。変化と美を魅せる表現はとてもおもしろいと感じる作品。

 

今度はアートでおなかいっぱいになりました。作品に関しては見る人の視点や感じ方はだいぶ違うと思います。あくまでこれを書いている一個人の感想ですので悪しからず。しかしながら、この分野に全く触れてこなかった自分が、アーティストとまわり、説明をきき素直に面白いと感じました。切り口としても、新たな見分としても素敵な時間でした。
帰りがけに道の駅によってお買いものタイムを過ごした後、バスは大桶→氏家と向かいました。また那珂川町に来たい!という声、今日は楽しかったと喜んでくださった皆様の声をたくさんいただきました。
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遠いところから、本当にありがとうございました。そして、世界フグ協会の皆様、㈱夢創造、KEA関連の皆様、小砂のお母ちゃんたち、役場企画財政課の担当者様、本当にお疲れ様でした~。

 

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